伊澤 敦彦(いざわ あつひこ)

田舎暮らしに都会のスパイスをプラス。下野市を盛上げる火付け役

  • GELATERIA伊澤いちご園 オーナー
  • イタリアンカフェ・バール「L’ape Ronza(ラーペロンツァ)」オーナー
  • 吉田村祭り参画
下野市へUターンした理由はなんですか?
以前は、東京でCGデザイナーとしてバリバリ働いていました。「道の駅しもつけ」のオープンにあわせ、いちご農家である父が何故かジェラート屋を始めることになっており、家族と共に下野市にUターンすることを決意しました。
昔は栄えていた吉田村ですが、当時や伊澤さんが幼い頃はどうでしたか?
「栄えていた」とはいえ、所詮は田舎レベルの話なので、大したことはないのですが、半世紀前は様々な商店や映画館、パチンコ屋さんなんかもあったと聞いています。さらに遡ると、鬼怒川の船着き場を中心に商人などが行き交う宿場などもあったなんて、今では考えられない話なんですよね(笑)
幼い頃は、今の農協跡地にはガソリンスタンドや農協のスーパーなどがあり、周辺には食堂や洋品店、酒屋、駄菓子屋など、普段の買い物には困らない程度の「街」でした。
「吉田村まつり」や建物をリノベーションしてオープンさせたイタリアンカフェバール「ラーペロンツァ」、農協跡地に目を付けたのはどうしてですか?
ラーペロンツァのシェフの伊藤がイタリアに修業に行く前に、スタッフみんなで飲み会を開いたのですが、地元にイタリアの田舎みたいな場所ができたらいいね!という話になりました。伊藤が修業から戻ってきたらイタリアンの店でもやろうかという話の流れで、父が「農協跡地なんかどうだ?」と、教えてくれたのがきっかけです。
雨が降っている中、みんなで現場を見にいった際に、石蔵の風景がとても幻想的で、イメージ通りの雰囲気だったので、満場一致で決まりました。また、地元のランドマーク的な農協を、当時の活気を取り戻すアイコンとして活用し、みんなの想いを建物とともに再生できればと思ったのも理由の一つです。
2017年の吉田村まつりはクラウドファンディングにも挑戦しましたが、成果はいかかでしたか?
たくさんのご支援を受けて、無事目標額を達成することができました。
目的は毎回問題となる「駐車場」の確保のためです。年々増える来場者に小さな集落では完全にキャパオーバーになってしまっていたので、今後どのように来場者に不便をかけずに来てもらえるかが課題となっていました。
周囲は広大な田畑で、広い駐車場はありません。そこで、2016年からシャトルバスを運行し、車を使わなくても会場に来られるようにしましたが、車社会の栃木県、みなさんしっかり車できちゃうんですよ。そのような中、周辺の田畑を整地し、駐車場として活用するため、クラウドファンディングを活用しました。
とはいえ、整地には莫大な費用が掛かり、100台増えただけですが、大進歩です。
伊澤さんは、ここ吉田地区を今後どうしていきたいと思っていますか?
「近くで飲める場所が欲しい」と思い、ラーペロンツァを作りました。他にも、パン屋さん、花屋さん、コーヒー屋さんが欲しい。そういった小さな願望を叶えるために、農協の大谷石の石蔵を活用した商業施設をつくりたいです。
現在、市などと吉田地区をどのように開発できるか協議しながら一歩一歩すすめている真っ最中です。
僕の目の黒いうちに、この吉田地区にできるよう頑張ります!
下野市の好きなところはどこですか?
下野市の好きなところは田舎なところ。豊かな自然、美味しい農産物、虫の声、稲刈りのあとの香り、夕日に染まった田畑。ぜんぶ大好きです。
なんでも揃えたいわけではなく、心や感性を豊かにしてくれる欲しいモノが身の回りに揃えばそれが一番だと思います。
東京より下野市が好きになりましたか?
もうちょいですかね(笑)