須藤 宗晃(すどう そうこう)

下野市から世界へ。日本の伝統を発信する茶道家

  • 裏千家茶道正教授
  • 数寄屋建築と日本庭園が見事な和喜庵などで 茶道教室を主宰。全国に多数の生徒を持つ。
『茶道』とはどういったものでしょうか?
茶道を全く別世界のように皆さん思われがちですが、全くそんなことはなくて、日常生活そのものが茶の道なのです。それなので、一碗のお茶を立てる方法、作法を通して実は『人の道』を学んでいる世界なのです。そして、いろんな礼儀作法・立ち振舞いを勉強して『日常生活をより豊かに素晴らしく生きましょう』という教えが茶道なのです。
日本の伝統を守り、語り次ぐ者として伝えていきたいことはなんですか?
今はどなたもいろいろな外国語を勉強されていると思うのですが、語学だけを学んだらすぐに外国へ行ってしまうその行動にすごくショックを受けています。
日本のフランス文学者である「栗田勇さん」が、『自国の文化を知ってこそ本当の国際人だ』とおっしゃっていました。そのお言葉から、自国の文化のことを知り、世界中に伝えていかなければと思っています。ですから、これからは若い方々にもこの日本のお茶、伝統文化を学んでほしいという気持ちでいっぱいです。
下野市から発信したいことはなんですか?
下野薬師寺は、日本三戒壇の一つです。奈良時代、なかでも天平文化のときには大変発達していた所だったんです。最近では、発掘作業をするといろいろな出土品が発見されます。そういった歴史文化に関しても、日本全国の皆さんに、ここは素晴らしい所なんだということを知っていただきたいですね。
また、下野市には、大きな自治医科大学付属病院がありますよね。下野市は、(病気治癒とかかわりが深い)薬師寺という地名があるくらいですから必然的に大きな病院ができて、盆栽・お茶がここにあるのは必然的なことなんだ、偶然ではないんだと地元の神主さんがおっしゃっていました。そういった歴史文化と現代の繋がりも、日本全国・世界中に知らしめたいと思っています。